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2005年03月02日

随想

死んでよかった、と言うしかない母親の気持ち

今日はものすごく重い話を書いてみます。


従弟が死にました。
自殺でした・・・

ちょうど一年くらい前の話です。

外交的で活発な兄とは正反対の内向的でおとなしいコでした。
友達もうまく作れなかったようですがやさしいコでした。

何度も仕事を辞めては再就職し、、の繰り返しで、
30歳目前にしたある日、
やっと再就職した先で突然行方不明になりました。
しばらくして、家族に
「北海道へ行ってくるから」
と連絡をよこしてきたきり一ヶ月くらいが過ぎました。
今までもそういうことは何度かあったので家族もそっとしておいたようでした。
叔母は周囲にとても気を遣うやさしい人で
いつも皆に笑顔をふりまいて「ありがとう」「ありがとう」と言う人でした。
私が離婚してからもよく私や息子にまでかわいいカードや手紙を送ってきて
「すごいね。すごいね。頑張ってるね」
って励ましてくれる人でした。
そんなやさしい母親である叔母のことを最後まで気にしていたのでしょう。
車の助手席に、叔母の大好きな夕張メロンのゼリーのおみやげ袋を載せたまま

従弟は車の中で死んでいるのを発見されました。

雪深い山奥の寂しい場所でした。
車の中で死んでいたのに服はびしょ濡れになっていたそうです。

寂しかっただろうに。
冷たかっただろうに。


どうして・・・


「どうして一人で逝ってしまったの」
「どうして話してくれなかったの」
「どうして会いに来てくれなかったの」

「どうして」
それだけ言うので皆精一杯でした。
脱力感と悲しみがどっぷりと渦巻いていました。

叔母の姿は見れませんでした。
でも
お葬式のときも声を張り上げて泣いていたのに
後でみんなで食事をしているときに

「来てくれてありがとう」
「ありがとう」

って
泣き笑いしながら皆のところをまわっていました。


悲しみってすごい。
何がすごいかって、

怒れないんですよ。
怒るパワーも何も奪ってしまう。
気力も何も奪ってしまう。

私は前のブログで、ずっと前に、
列車に飛び込み自殺する人は迷惑!
って怒り気味の記事を書いたことがあったんですけど

自殺を擁護する気持ちはないんですけど、
でも、
今少し、配慮が足りなかったな、って思っています。
怒れることって、少しだけ無責任なんだな、、って。今ちょっと思うから。
怒れないくらい悲しい気持ちがあるって考えてなかった。


お葬式が済んでから叔母はずっと
ご飯が食べれなくて眠ることもできなくなったんだけど
あるとき静かに笑って言ったんです。

「あのコは死んでよかった。
生きていたら苦しむコだったんだろう。
これでよかったんだろうと思う・・・・・・・・・」

言い聞かせるみたいに言った叔母に誰も何も言えなかった。

死んでよかったわけないのに。
これでよかったわけないのに。

死ぬなんて馬鹿なコなんだから!!!
って怒れたらどんなに楽だったろう・・・・

我が子の死を必死で受け止めようとしていて
でも尋常でない深い深い悲しみに囚われたままで

時が少しずつ癒してくれることを願うばかりだけれど
叔母はいつになったら救われるのだろう・・・・

我が子に先立たれて深い悲しみから抜け出せずにいる両親のこと、
どうにかできなかったのか、というやるせない気持ちの周囲の人たちのこと、

どうか知ってほしい・・・

怒ることもお腹の底から笑うこともできなくなるほど
残された人たちからエネルギーを奪ってしまうこと

どうか知ってほしい・・・

一人で生きてきたわけじゃないこと

どうか知ってほしい・・・

集団自殺やなんかのニュースが頻繁で
世の中一体どうなってしまったんだろう。
確かに生きにくい世の中だとは思うけれど。。


皆が
ふと立ち止まることのできる
思いやりいっぱいの世の中になりますように・・・


で、↑上記事に続く・・・

すみれ | trackback (2)

comments

こんばんわ。

上手く表現出来ないのですが、
読んでいて、とても辛かったです。
人事なのに…。涙が出ました。

ウチの母親が言ってました。
「親不幸っていうのは、
親よりも先に逝ってしまうことだ」と。


亡くなられたその方も、
きっとお母様のこと、とても愛してらっやった
んでしょうね。
そして、その方自身もとても辛かったんだと
思います。


今は生きにくい世の中かもしれないけど、
だからこそ、
生きている幸せを感じてほしいと
思いました。


上手く言えなくて、ごめんなさい。

美羽 : 2005年03月02日 20:18  

*美羽ちゃん
あああ・・・
ごめんね、こんなコメントつけづらい話に
言葉をくれてどうもありがとう。
上手い言葉なんていりません。
ただただ、子どもをなくした叔母の姿が
ずっとずっと心にひっかかったままで
ついつい書かずにいれませんでした。
死ぬほうも死なれるほうもツライよね。
そんな悲しいことなくなればいいと思うけれど・・・
私もダメ人間なので、、
ちょっと立ち止まって考えたかっただけだから。ありがと。

すみれ : 2005年03月02日 20:56  

なんだか凄く切ないね。
私の友達も、二年前に自殺をして、
借金からの逃避だった・・・

残されたものの苦しみは、私には計り知れないけど、
でも、友達は凄く穏やかな顔をしていて・・・
だけど、めちゃくちゃ腹立たしかった。
友達だから、きっと腹立たしかったんだと思う。

人生だから、死にたいと思う事があると思う。
でも、自分に与えられた寿命を全うしたいなと思う。

珍しく真面目なコメント^^;

真希 : 2005年03月02日 22:24  

上のエントリーも読ませてもらったの。
涙が込み上げてくる…
集団自殺のニュース、よく見かけるよね。その度に
残された人の気持ちも考えなさい!と怒っていました。
でも、きっと本人には、違う世界へ行く道しか見えないんだよね…
叔母さんの言葉、いとこさんに聞かせてあげたい。

すみれちゃんママもJr.も、ものすごい能力をお持ちなのかもー!
というか、すみれちゃんがとっても愛されてるんだわ(*^_^*)
だから伝わるんだね、きっと。

ponpi : 2005年03月03日 13:33  

*真希ちゃん
珍しく真面目なコメントありがと♪w

あぁ・・・お友達が亡くなってしまうのもすごくツライね・・・
従弟も現実から逃避してしまったことには変わりないと思うんだけどね。
なんだろう、、、怒れなかったんだよ、、誰も・・・
身内のやるせない気持ちなのかなあ・・・
分からないけど、腹立たしい気持ちも確かにあるはずなんだけどね
怒れなかった。。
叔母の姿も切なすぎたからかもしれない・・・

>でも、自分に与えられた寿命を全うしたいなと思う。

本当に・・・・
「生かされてる」んだから感謝しなくちゃ、、って思う。

*ponpiちゃん
>残された人の気持ちも考えなさい!と怒っていました。
でも、きっと本人には、違う世界へ行く道しか見えないんだよね…

いや、ほんとそうなんだよね。
なんで残されたヒトのこと考えないんだろう、、とか思うんだけどね。
イっちゃうヒトもイかれちゃったヒトも
もうちょっとどうにかならなかったのか、、って今は思う。
世の中にもうちょっと余裕があったら・・・・

>すみれちゃんがとっても愛されてるんだわ

あは・・・そんなふうに考えたらハッピーだねw
ありがとう、ponpiちゃん♪(*^-^)


すみれ : 2005年03月03日 21:26  

死にたきゃ死ねばいいさ・・・
自分を愛してくれてる人を裏切って、自分だけ楽になれるんだったら・・・

冷たい言葉吐いちゃった(^^;)

でも、そう思わないと自分が立ち直れなかった。
私を子供を両親を・・・すべて捨てて、それで楽になれるのなら。
だから、何時までも思ってなんかあげない、引きずらない。
残された者、立場によって違うだろうけど
私たち家族を捨てて独りで違う世界に旅立った。
「捨てられた?」私はそう感じた。

死に急ぐ時、きっとその心は病におかされてたんだとおもう。
感じ取れなかった残された私が悪いのか?
話さなかった本人が悪いのか?

どうでもいいや・・・すんだ事。

生きたくても、生きられない人さえ居るのに。
死にたいなんて、きっとこの先 何があっても考えない。
残された者の気持ちが分かるから。

すみれっちも、冗談でも考えちゃあダメよーん。

いつもと違う冷たいコメントm(_ _"m)ペコリ

みゅみゅ : 2005年03月04日 00:22  

TBありがとう。
お邪魔するのが遅くなってごめんなさい。
私のほうからもTBさせていただきました。

エントリ、読ませていただいたけど、
でもちゃんと頭に入ってこなかった。。。
読んでるんだけど、とても重くって
言葉が頭でふわふわして
しっかり理解していけないというか。。。

ごめんなさい。
ちゃんとコメントつけられないや・・・。

また遊びにきますね。
でわ/~

foofoo : 2005年03月04日 10:11  

*みゅみゅしゃん
つらかったこと、、思い出させちゃったね。。
ごめんね。
みゅみゅしゃんの苦しみは計り知れないけれど
そうやって一生懸命前へ進もうとしてきた気持ち、わかるつもり・・
残されたものの苦しみとか悲しみやりきれなさは、立場が違ってても根底は一緒かなって思う。

冷たい、なんてとんでもない。
心にしみる言葉をありがとう。

*foofooちゃん
ごめんね、私のほうこそTバックだけさせてもらっちゃった。
言葉にしにくい話だもの。それなのにわざわざ足跡残してくれてありがとう。
たまにはね、
重いことも考えてみるのもいいのかもしれません。
でもいつも笑っていたいけれど。

すみれ : 2005年03月04日 23:35  

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